ビジネス心理学 100本ノックを読んだ感想
心理学の本はこれまでに何冊か読んできました。
読み終えてみると、「そういえば前の本にも似たようなことが書いてあったなぁ」って思うことが多かった。
つまり、ビジネス向けの心理学といっても、「ビジネス向け」を謳っていない心理学書と内容に大きな違いはありません。
それよりも、切り口や利用方法をビジネス向けに説明している本だと思った方が良いと思います。
ビジネス心理学 100本ノックを読もうと思った理由
- #1で紹介した、【アウトプット大全】に記載されていた内容の多くが、心理学的実験を根拠としていたため改めて心理学に興味を持った。
- 心理学に関する本は以前にも何冊か読んだが、人間関係を話題の中心とするもので、ビジネスを意識した切り口の心理学書は読んだことがなかったから。
- ビジネス心理学を読むことで、今までとは違った考えや理解を得たいと思ったから。
ビジネス心理学 100本ノックのみどころ
この本のテーマは
そして今度はAIの時代が現実化しつつあり、データに基づく確率的な判断や論理的思考はAIの得意とするところであり、気分や感情、忍耐、やる気、立ち直る力、コミュニケーション、自己認知、他者認知、意味の創出など、理屈ではなかなか割り切れない部分が人間に残された最後の砦になるだろうということで、心理学の重要性がよりいっそう増してくるとみられています。
そんな時代ゆえに、心理学の知識を切り売りするセミナーやビジネス書もみられるようになりましたが、どれも正確な心理学の知見に基づくものではなく、心理学をかじった人の経験談といった感があります。そこで、ビジネス心理学の本格的な基礎知識を世の中に普及させる必要性を感じたわけです。
ビジネス心理学の基礎知識をわかりやすくコンパクトに解説するとともに、実践的なヒントも散りばめた、すべてのビジネスパーソン必読の書をまとめたい。
榎本博明作ビジネス心理学 100本ノック【まえがき】からの引用
読了して想いますが、著者の想いは十分理解できました。とてもわかり易く、空き時間にサクサク読め、多くの内容はすぐに役に立ちそうな印象が強いですね。
ビジネス心理学 100本ノックを読んだ感想(書評)
今までの私
相手を理解しようとする努力を怠っていたように思う。
理解できない相手や、価値観が大きく違う相手はドライの捉え「あの人はそういう人」ってラベルを貼って、受け入れることはなかった。
ビジネス心理学 100本ノックが教えてくれたこと
相手の言動が、その時の心理的状態や普段おかれている環境に大きく影響を受けているのだとわかった。
これは相手だけではなく自分自身も同じなんだと改めて理解した。
私が心理学の本を読もうと思ったとき、他人の心理学的行動を理解しようと考えていたけど、自分自身の行動も納得できてしまった。
なんか、諭された気分です。
これまで、この本で解説されている心理学的な言動を単に【あの人の性格】って思い、相性の悪い人には近づかないことが一番と考えてきた。
でも、そうも行かない立場になったり、メールやSNSなどの文字コミュニケーションは証拠が残ったたり、最近特に思うのが、迅速なコミュニケーションレスポンスを求める人が多く、苦手な人、相性の悪い人ともすばやく、うまくやっていくことが求められる世の中になった。
昔に比べてけっこう大変だよね。
この本に書かれていることを一つでも多くビジネスに役立てることができれば、「もっとうまくやれるかも」って思わせてくれた。
実践してみようと思ったこと
読んでいて特に実践的だなって思ったのが【第6章 説得の心理学 相手の納得を引き出す方法】です。
そのなかでも、【飲食をともにすると、説得されやすい】は目からウロコです。
私は取引先やネゴしたい上司と食事に行くことが多いので、今度試してみようと想います。
また、【第3章 キャリアと能力開発の心理学 人生の有意義な過ごし方を見つける】や【第4章 やる気の心理学 モチベーションの高め方を知る】では、新入社員の心理分析やモチベーションキープに大いに役立ちました。
やる気み満ちて「会社で輝く自分」を想像しながら入社してくる新入社員もたまにいます。数ヶ月がすぎると、根拠のない自信があっといまに吹き飛び、うまくできない現実の自分と理想とのギャップですぐにモチベーションが下がってしまいます。
そこで、第3章の【計画された偶発性】では、計画的に望んだキャリア積むのは現実的には難しい事が説明されていますが、このあたりを新入社員に説明し、焦ってはいけない事を理解してもらえました。
第4章の【外発的動機づけ・内発的動機づ】では、新入社員だけではなく、20台後半の社員の悩み相談にもうまく活用することができました。
実用度 :★★★★☆
おすすめ度 :★★★★★
わかりやすさ :★★★☆☆(難しいところもある)
電子書籍向き度:★★★★★
新入社員からベテラン管理職まで、ビジネスパーソンなら読んで無駄になることはないと思います。
空き時間に読むのに丁度よい短編集的仕上がりだから、電子書籍にもおすすめです。